異動のお知らせ

これまで在籍していた弁護士法人心津駅法律事務所から,新たに開設された弁護士法人心四日市法律事務所に異動となりました。

場所は,近鉄四日市駅の西側,「STAFF BRIDGE」という青い看板のあるビルの3階です。

これまでと変わらない,あるいは,それ以上の良質な法的サービスの提供に励みたいと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。

ところで,先日,事務所引越しのためにレンタカー(軽四貨物)を借りて,大量の段ボールを積み込み,津から四日市へ移動していましたが,噂に聞いていた23号線の渋滞につかまり,とてもゆっくりとした移動になりました(慣れない車ということもあって,疲労がかなり蓄積)。
また,レンタカーを借りたのは久々でしたが,次のような予想外の事象に遭遇しました。
○ ハンドルを切った後,自動で戻ってこない(手動で戻す必要があった)
○ アクセルを踏んでも,すぐに加速しない(ワンテンポ置いてようやく加速する感じ)。
○ 冷房がほとんど効かない。
○ 当時雨が降っていたが,ガラスがすぐに曇った(冷房を切っててドアミラーを開けて対処することに)。
○ カーナビがずれている(帰りに全く違うところに連れていかれた)。

特にカーナビのずれは,一番冷や汗かきました。
何かおかしいなという直感が働いたのですが,カーナビを信じすぎてしまいました・・・。
便利な機械ですが,盲信は禁物ですね。

https://www.yokkaichi-bengoshi.com/

いじめ行為と損害賠償請求(相当因果関係)

いじめ行為(暴力や脅迫行為等」によって,被害者の身体・財物に直接損害が生じた場合,当該いじめ行為と被害者の損害との相当因果関係が認められるのは言うまでもありません。

問題は,損害が間接的に生じた場合に,相当因果関係が認められるのかです。
間接的に生じる典型としてあげられるのが,被害者の自殺です。
いじめ行為自体は,死を生じされるほどの危険性はないものの,被害者がいじめを苦に自殺した場合,その死亡による損害を加害者に請求することが出来るのでしょうか?

この度取り上げる大阪高判令和2年2月27日は,いじめらた被害者Dが自殺し,被害者遺族が加害者A・B・Cに対して損害賠償請求を行った事件です。

結論として,判決はいじめ行為と被害者の自殺(=損害)との相当因果関係を肯定しましたが,それに至る判断過程を次のように提示しました。

ア)自殺者の共通心理として,孤立感,無価値観,無力感,閉塞感があげられる。
イ)A~Cの各いじめ行為によって,Dに孤立感,無価値観,無力感,閉塞感が生じ,深化していったことを経て,Dが自殺に及んだことから,A~Cの各いじめ行為とDの自殺との間に事実的因果関係が認められる。
ウ)それまでのいじめに関する報道や研究論文,法整備,社会的影響などから,事件当時において,いじめ行為によって被害者が自殺に至ることは,一般的にあり得ることと考えられ,相当因果関係は認められる。

本件は,最終的には,過失相殺の適用・類推適用を認めて,加害者側の賠償責任が減額されているという特徴もあります。

危険運転致死傷罪

5月27日午前1時頃,愛知県一宮市にて,センターオーバーによる死亡事故が発生し,センターオーバーした側の運転者が危険運転致死罪で逮捕されました。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第2条は,危険運転致死傷にあたる類型として6つの類型を規定していますが,本件は「その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為(2号)」にあたるとされました。

どの程度の速度であれば該当するのかは,事例によると思われますが,調べたところ,制限速度50kmの道路を時速95km以上で走行していた被疑者に前記2号の危険運転致死傷罪の成立を認めた裁判例がありました。
何となくではありますが,制限速度を40~50km以上超過することが成立要件とされているように思われます。

私は三重県内に住んでいますが,この1カ月で,赤信号でいったん止まったものの,交差道路の車両がいなくなった瞬間に急発進した車両や,片側1車線の道路の対向車線にはみ出して追越をかけ,一気に複数台を抜いて先頭に入った車両をみかけました。
いずれも,事故をして受傷者がでたとなれば,危険運転致死傷罪(4,5号)にあたる行為です。
本件のような悲惨な事故が起きる前に,運転態様を改めて欲しいと思います。

通院頻度とコロナウイルスとの関連性

緊急事態宣言が出されてから,コロナウイルスへの感染リスクを考慮し,通院頻度を少なくした,または,通院しなくなったという患者様の相談を複数受けました。

交通事故治療に限らず,通院患者の減少は社会問題化しており,中には医院の経営状態にまで影響を及ぼしていることもあるようです。

心配される患者様のご意見はもっともなことであり,ご自宅にいること自体は,外出を控えるよう広報している政府・地方公共団体の方針にも沿うものです。

ところで,交通事故治療における通院頻度は,患者様の精神的苦痛を測る指標としても用いられており,これが少なくなると傷害慰謝料が減少するという影響が生じ得ます。
また,前回通院との間隔があまりに空きすぎると,事故との関連性が希薄化し,最悪,交通事故としての治療が打ち切られることもあり得ます。

さらに,「不要不急」の外出は・・・と言われていることに照らすと,当該患者様の通院治療は不要不急のものであったと評価されてしまうかもしれません。

「本当は通院したいが,感染リスクのために行けない」というご主張をしばしば耳にしますが,医療機関は営業自粛の対象には含まれておらず,通院治療は外出自粛と対象外と思われることから,そのようなご主張がどの程度受け入れられるかは未知数です。

大変な状況下ではありますが,ご一考いただければと思います。

難聴・耳鳴りと交通事故との相当因果関係

令和2年度版赤本に,「耳の後遺障害について」と題する講演録が収録されていました。

交通事故被害につき,耳(正確には外耳)への直接外傷がなく,鼓膜や耳小骨等の器官にはっきりとした損傷が認められないにもかかわらず,難聴や耳鳴りを訴えることはしばしばあり,事故との相当因果関係が争点となることも珍しくありません。

耳鼻科の専門医である講演者は,相当因果関係の判断要素として,主に次のような事柄をあげていました(※ 筆者の個人的解釈を含みます)。

A)被害者の年齢・既存障害としての難聴の有無

特に高齢者の方は加齢による既存の難聴があることが珍しくなく,それを差し引いての判断が求められるとのことです。

高齢者でなくとも,既存障害として難聴がある場合は,同様の考慮が必要となるでしょう。

B)耳鼻科専門医を受診した時期

専門医にかかっていない,あるいは,事故日から相当期間経過した後に受診した場合は,事故直後から継続する障害があったのかが疑問視されるとのことです。

もっとも,専門医でなくとも,早期に耳鳴り・難聴を訴えていたことが確認されれば,関連性が肯定される方向に働く余地はあるとのことです。

C)頭部打撲の有無

頭部打撲がある場合は,遅発性に症状が出現することが報告されているとのことです。

前記Bでは受診時期が遅れれば相当因果関係が認められにくくなるとのことでしたが,絶対ではないにせよ,弁明の余地が出てくるといったところでしょうか。

D)事故の規模

小規模事故の場合は,事故によって耳鳴り・難聴が生じるか疑問視されるとのことです。

もっとも,小規模事故において事故との関連性が問題となるのは,聴覚異常に限ったことではないでしょう。

外貌醜状に関する一考察

令和2年版赤本下巻に外貌醜状に関する講演録が載せられていました。
良い機会なので,あらためて検討してみたいと思います。

外貌醜状に関する自賠責保険上の後遺障害としては,次の4つに区分されます。

① 外貌に著しい醜状を残すもの(7級12号)

② 外貌に相当な醜状を残すもの(9級13号)

③ 外貌に醜状を残すもの(12級13号)

④ 上肢・下肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの(14級3号・4号)

①著しい醜状とは,頭部において手のひら大以上の瘢痕が残ったとき,頭蓋骨に手のひら大以上の欠損が残ったとき,顔面部に鶏卵鶏卵大以上の瘢痕・10円硬貨以上のくぼみが残ったとき,耳殻軟骨部が2分の1以上欠損したとき,鼻軟骨部の大部分を欠損したとき,のいずれかに該当する場合とされます。

②相当な醜状とは,顔面部に5cm以上の線状痕が残った場合とされます。

③(単なる)醜状とは,頭部において鶏卵大以上の瘢痕が残ったとき,頭蓋骨に鶏卵大以上の欠損が残ったとき,顔面部に10円硬貨以上の瘢痕・3cm以上の線状痕が残ったとき,頚部に鶏卵大以上の瘢痕が残ったとき,のいずれかに該当する場合とされます。

これら外貌醜状の後遺障害が認定された場合,常に問題となるのが,逸失利益と慰謝料増額事由としての問題です。

前記講演録を見るに,次のような事情が考慮されているようです(※ 投稿者の独自解釈含みます)。

A)逸失利益との関係

交通事故時にいかなる職業に就いていて,外貌醜状によって,現在,当該仕事内容や収入に具体的影響が生じているか。現在は影響がなくても,職種・年齢等から将来的に異動・転職の場面を含めて影響が及ぶと認められるか。

※ 外貌醜状の部位・内容・程度が出発点となり,一般的に等級の高いものほど労働能力喪失が認められやすい傾向がある。

B)慰謝料増額事由との関係

具体的な労働能力の喪失があるとまでは認められない場合であっても,後遺障害等級に応じて通常想定される精神的苦痛ではなお評価し切れない部分が認められるか。

改正健康増進法

改正健康増進法によって,三重県内においても,近鉄電車で喫煙車両がなくなったり,建物内で喫煙ができなくなったりと,様々な影響が出ています。
そんな健康増進法について,少し取り上げてみたいと思います。

健康増進法は,平成14年(2002年)に成立した法律で,その目的は,「我が国における急速な高齢化の進展及び疾病構造の変化に伴い,国民の健康の増進の重要性が著しく増大していることにかんがみ,国民の健康の増進の総合的な推進に関し基本的な事項を定めるとともに,国民の栄養の改善その他の国民の健康の増進を図るための措置を講じ,もって国民の健康を図ること」とされています(同法1条参照)。

改正25条では,国及び地方公共団体の責務として,受動喫煙の防止の推進が努力義務として規定されています。

さらに,改正25条の3では「何人も」受動喫煙が生じないよう配慮する義務を負い,「多数のものが利用する施設を管理する者」は,喫煙場所を定めるときは,望まない受動喫煙を生じさせることがない場所とするよう配慮する義務を負うとしています。

そして,改正25条の8は,都道府県知事に,対象施設に対して,受動喫煙が生じないような措置をとるよう勧告(※ 応じなければその旨公表できる)・命令(※ 勧告に応じなかったことが前提)することが出来るとし,改正25条の9においては,立入検査等も出来るとしています。

その上で,改正40条や42条は前記命令に違反したり,検査を拒否したりした場合は,過料に処すことが出来るとされています。

この「過料」は行政罰の一種で刑罰ではありませんが,配慮義務の一般化や,行政機関に勧告・(違反を前提とした)公表・命令・立入検査等を認めることで,十分な抑止効果がもたらされるのではないでしょうか。

喫煙される方には辛い状況ですが,受動喫煙による健康被害は各種調査によって明らかとなっているところなので,本改正によって望まない受動喫煙がなくなればいいなと思います。

 

 

特殊詐欺とコロナウイルス

以前から度々取り上げている特殊詐欺ですが,昨今のコロナウイルスに便乗した新たな特殊詐欺が行われている模様です。

三重県警察のホームページによれば,次のような事例が報告されています。
(1)コロナウイルスにかかった身内を装い,現金等を要求する
(2)厚生労働省や保健所の職員を装い,個人情報や資産情報を聞き出す

特に(2)については,政府や公的機関から,イベント開催自粛や外出・往来自粛等の,これまでにない強度の要請が相次いでいることもあり,つい信じてしまう可能性もあると思われます。
十分に警戒しておくべきでしょう。

また,特殊詐欺だけでなく,悪質商法の事例も報告されています。

具体的には,コロナウイルスへの効果をうたった未承認の薬品を販売する,コロナウイルスに汚染されているとして,消毒作業とそれにかかる料金を要求する等です。

犯罪者側は,資力に乏しく,入手した金員をすぐに費消してしまうのがほとんどですので,後で騙されたと気づいて被害届を出しても,交付した金員が戻ってくることはほとんどありません。

それ故,お金を交付する前に気づくこと,踏みとどまることが,何より重要です。

警察からは,不審な電話があった場合は,一旦電話を切って警察に通報して欲しいとの要請が出されています。
慌てず,落ち着いて対応していただきますよう,お願いします。

コロナウイルスの影響

コロナウイルスの感染拡大防止のため,政府より,不要不急の集まりを避けるよう通知が出されているのは,ご存知かと思います。

これに関連して,三重県の津地方裁判所は,3月11日に予定していた裁判員の選任手続きを延期すると発表しました。

裁判員の参加する刑事裁判に関する法律〔「裁判員法」と略されることが多い〕は,死刑または無期の懲役・禁固にあたる事件等の刑事裁判は,裁判員の参加する合議体で行わなければならないとしています(2条1項)。
そして,裁判所は,裁判員等選任手続を行う期日を決め,裁判員候補者を呼び出さなければならないとしています(27条1項)。
今回延期されたのは,この27条1項の手続きです。

裁判員は,一般市民の中からランダムで抽出されます。

もっとも,特定の職種の者・職種であった者は当初から除外されます(裁判員法15条1項)。

除外対象者には弁護士も含まれており,私は,現在はもちろん,弁護士を辞めた後も選ばれることはありません。

仮に手続きが行われたとなると,大きな部屋に裁判官,検察官,弁護士,裁判員候補者が一堂に会して,様々なやり取り(手続きの説明,裁判員への質問,理由を示さない不選任の請求,選任決定等)が長時間行われることになります。
参加者全部合わせると数十人になることから,現在実施すべきでないというのはやむを得ない措置なのかもしれません。

ちなみに,三重弁護士会においても,会合や研修等,多人数が集まることを前提とする催しが,次々に延期・中止となっています。

早く収束して欲しいと切に思います。

裁判例検討【発信者情報開示請求】

「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「同法」といいます)」をご存知でしょうか?
実に長い法律名ですが,他によいネーミングが思いつかなかったのでしょう。

同法4条1項は,「特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者は,次の各号のいずれにも該当するときに限り,当該特定電気通信の用に供される特定電気通信設備を用いる特定電気通信役務提供者(以下「開示関係役務提供者」という。)に対し,当該開示関係役務提供者が保有する当該権利の侵害に係る発信者情報(氏名,住所その他の侵害情報の発信者の特定に資する情報であって総務省令で定めるものをいう。以下同じ。)の開示を請求することができる。」と規定しています。
ざっくりいうと,インターネット上のウェブサイト上での投稿(罵倒,誹謗中傷等)によって,自己の権利を侵害された者は,プロバイダ業者に対して,当該投稿者の情報開示を求めることができるというものです。

同法4条1項に基づく開示請求は,被害者が名指しで投稿されていなくても,他の記載や前後の投稿から,被害者であることが特定されると評価されれば,「自己の」権利を侵害されたとして請求が認められることがあります。
東京地判平成30年2月8日では,被害者はある特徴的なニックネームで呼ばれており,氏名こそ記載されていないものの,他の記載や前後の投稿には,被害者の身体的特徴,普段の服装,保有自動車の車種や色・ナンバーのほか,被害者の姓と読みが類似する記載がされていること等を総合考慮した上で,一般の読者の普通の注意と読み方を基準とすれば,当該ニックネームの人物が被害者を指すもので,そこに書かれた記事が被害者に関するものであると読み取ることが出来ると判示し,他の要件も満たされることから,開示請求を認めました。

青少年健全育成条例

時折,女子学生と関係を持ってしまったが,どうしたらいいでしょうかという相談を,男性から受けることがあります(今のところ,逆の相談を受けたことはありません)。

普通に過ごしていたら,(職場や趣味等が合致する場合を除き)大人の男性と女子学生が友達になったり,まして,性的関係を持つことは,ほとんどないでしょう。

双方とも,何かしらの目的を持って接近を図った結果,こうなったということなのかもしれません(この辺りについては正直よくわかりません)。

さて,青少年(18歳未満の未婚者と定義)については,その保護や健全な育成を図るため,各都道府県にて青少年健全育成条例が定められています。

三重県でも,三重県青少年健全育成条例が制定されています。

そして,青少年に対する「いん行またはわいせつな行為等」が禁止されており(第23条1項),違反した場合は2年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられる可能性があります(第40条1項)。

冒頭の相談者は,まさにこれに抵触することになるわけです。

いん行とは,青少年を威迫し,欺き,又は困惑させる等不当な手段を用いて行う性交又は性交類似行為及び青少年を単に自己の性欲を満足させるための対象として行う性交又は性交類似行為という長い定義がされています。

ざっくりいうと,真剣交際以外は,すべてアウトといってよいでしょう。

ただ,「真剣交際でした!」と強弁しても,その他各種事情に鑑みて,なかなか認めてもらえないのが実情です。

他方,女子学生側も,虞犯少年(少年法3条1項3号)として,少年事件の対象となる可能性があります。

双方とも,公私にわたって,著しい影響を及ぼすことになりますので,踏みとどまっていただきたいと思います。

信号無視の立証

先日,信号の色が争われた交通事故に起因する損害賠償請求訴訟の判決があり,当方の主張どおり,相手方が信号無視をしたと認定されました。
いかなる判決がでるかやきもきしていましたが,まずは安堵の気持ちです。

交通事故において,赤信号を無視して事故を起こした加害者が,信号無視を認めなかったり,当初は認めていて後日に青だったと主張したりすることは,時折あります。

赤信号を無視して事故を起こした場合,赤信号を無視した者の過失割合は基本的に100%とされます。
しかし,加害者が信号無視を認めない場合,被害者は加害者が信号無視をしたことを主張し,かつ,その事実を証明していく必要に迫られます。
つまり,損害賠償請求を行うにあたり,被害者が立証責任,証明責任を負うことになるのです。

このような立証責任,証明責任を教科書的に定義すると,訴訟上,主要事実(=権利の発生・変更・消滅のような法律効果の発生要件に該当する事実)の存在が真偽不明に終わったために当該法律効果の発生が認められないという一方当事者が負うべき不利益となります。
加害者の信号無視が認められない・真偽不明で落着したときは,理不尽ではありますが,被害者が事故によって被った損害を加害者に支払ってもらえないという不利益を受けてしまうのです。

本件ではドライブレコーダーや防犯カメラ等の客観性の高い証拠のほか,目撃証言等の中立性の高い証拠はなく,容易な案件ではありませんでしたが,刑事記録における相手方信号見落としを示唆する記載のほか,相手方供述の不整合等によって,相手方信号無視を証明することができました。

交通事故と任意保険

交通事故事件を扱っていると,任意保険(以下共済も含む)をかけていない方から相談を受けたり,相手方に任意保険がなかったりするケースが,時々あります。
自賠責保険と異なり,任意保険はその名のとおり強制ではありません。
ただ,交通事故における賠償額は,何十万というのが普通であり,怪我の内容が重いと数百万円というのもしばしばです。
このような大金をすんなり用意できる方は極めて少ないでしょうから,自動車に乗る際は任意保険を付保するのが鉄則と言えるでしょう。

ところで,任意保険がないといっても,一度も任意保険を付けたことがないという筋金入りの方はまずいません。
ほとんどは,ある時期まではつけていたものの,金銭的な困窮や,事故には遭わないし起こさないという自信によって,途中からつけるのを止めた,更新しないまま放っておいたというパターンが多いように思われます。
なぜかわかりませんが,そのような油断・慢心があるときに限って,得てして事故を起こしたり巻き込まれたりすることが見受けられます。

改めて言うまでもありませんが,任意保険をつけないまま自動車に乗ることのないようご注意ください。
そして,任意保険を付ける際は,弁護士費用保険・特約もお忘れなく。

交通事故に関して津で弁護士をお探しの方はこちらをご覧ください。

雑考(保険会社における施術費の争い方について)

交通事故で受傷した場合,治療の主体となるのは整形外科等の医師ですが,接骨院・整骨院(以下「接骨院等」)も利用されることがしばしばあります。
赤い本では「症状により有効かつ相当な場合,ことに医師の指示がある場合に,治療に必要かつ相当な額を認める」とされ,実際に接骨院等の施術によって,症状が改善した・緩和された事例は枚挙にいとまがありません。

しかし,接骨院等における施術は,医師が直接かかわる純然たる治療行為ではないことから,立証の観点において,どうしても弱い立ち位置にあります。
それを知ってか,従前は問題なく施術費を支払っていたにもかかわらず,示談交渉が決裂して訴訟移行した途端,施術費が不必要・不相当であるとして争ってくる加害者側保険会社及び代理人弁護士を,複数目の当たりにしました。

当初から施術を問題視していたり,当時不明であった重大事情が後日に明らかになったりした場合は,訴訟において争うのは首肯できます。
しかし,あらかじめ保険会社側の同意を得て,何ら問題なく施術費が支払われていたのに,前述の弱みにかこつけて,当該施術は本来必要でなかったと主張してくるのに対しては,これまでの信頼を無に帰すものであるというほかなく,憤りを感じます。
民法1条2項は,信義誠実の原則を定めており,訴訟になったとしても,当該原則を軽視・無視することはできないはずです。

まとまりがなくて申し訳ありませんが,最近の雑考を述べさせていただきました。

保釈が認められました

当職が請求した保釈が認められました。
検察側から準抗告が行われたものの,これは棄却となりました。
被告人を不必要な身体拘束から解くことができ,弁護人として安どの気持ちです。

今後の振り返りのために,その経緯を時系列でまとめておきます。

1日目:保釈請求書及び疎明資料を,津地方裁判所に提出。
1日目:担当裁判官より,保釈請求書記載事項や疎明資料の内容について,電話での質問

2日目:津地裁より,保釈許可決定がおりたとの連絡あり。
2日目:津地裁より,検察側から,保釈許可決定に対する準抗告と執行停止申立てがなされたとの連絡あり。

2日目:津地裁より,執行停止が認められたこと,準抗告に対する結論は翌日となる旨の連絡あり

3日目:津地裁より,準抗告が棄却されたとの連絡あり

3日目:被告人関係者とともに,保釈保証金を携え,津地裁刑事部に行き,必要書類にサインをする。この際,保釈保証金の還付先を記載するよう指示あり。

3日目:津地裁会計係にて,保釈保証金を納付。意外と時間がかかった印象。

3日目:担当検察官に連絡したところ,身体拘束からの解放は,裁判所から納付の連絡があった上で,勾留先に解放する旨の指示書が届いてからになるとのこと。

3日目:勾留先に行き,解放を待つ。しばらく待った後,被告人が解放された。

保釈保証金を納付してから解放までの時間は,1時間近くだったと思います。

修理費用の認定について

交通事故で車両が損傷し,その修理費用を対物保険や車両保険で対応することは多々あります。
このような場合,保険会社・共済は,修理前に,修理内容・項目等を入庫先の修理業者とすり合わせた上で決めるのが通例です。
そうでなければ,修理業者が修理をした後で費用を請求した際,保険会社・共済がその一部を認定しない等のトラブルが生じるからです。
保険会社・共済が認定しない場合は,修理業者や車両所有者が泣きを見ることにもなり得ます。

ところで,この度,修理業者とのすり合わせを行うことなく,某保険会社が勝手に修理費を認定したという事案が確認されました(少なくとも,その事実を被害車両の所有者側に伝えませんでした)。
それも,皆さんがよく知っている大手保険会社であるのだから驚きです。

もちろん,保険会社・共済の認定額と修理業者の認定額が異なることはありますし,それをめぐって訴訟になることもあります。
ただ,そのような場合であっても,すり合わせを通じて,双方の争点があらかじめ顕在化しているのがほとんどです。

相手が大手保険会社であるから,通常こうだから大丈夫という考えは危険であると感じました。

これは,修理費の認定に限ったことではなく,日常生活や業務の様々な場面に該当することのようにも思われます。

いつもこうなっている,当然のことだという事情でも,スルーせず,ちょっとした確認をしておくことが,後々の対立を防ぐ意味で大事なのだと思います。

ペーパーレス化,電子化

三重県は,21日に開いた政策会議で,幹部職員に一台ずつタブレットを配布し,会議資料のペーパーレス化を図ったとのことです。
県職員が出席する会議でタブレットがこのような用いられ方をするのは,初めてらしいです。

また,この日の会議では,紙文化に伴う非効率的な業務が生産性を低下させているとして,他の会議でも試験的にタブレットを導入することが決められたとのことです。
タブレットはスマートフォンを大きくしたようなもの(偏見あり)なので,普段スマートフォンを使用している方であれば,抵抗感はあまりないのかもしれません。

会議資料は,膨大であることが通常であるところ,それを人数分プリントアウトして,ホチキス止めし,各席に置く事務方の苦労は相当なものです。
当事務所でも,会議前は,複合機がひっきりなしに回っている音が聞こえてきます。
また,その会議が終わった後,膨大な資料を残すか,残すにしてもどのように整理するか等が,悩ましい問題として浮上します。

タブレットではないですが,現在,裁判の電子化に向けた取り組み・準備が各所で実施されており,私も先日,たパソコンを使用した遠隔地同士での模擬裁判(のようなもの)を,三重弁護士会にて見学してきました。

紙文化に後ろ髪ひかれるところもありますが,電子化したほうが合理的であることがほとんどなので,この流れに取り残されないように努めていきたいと思います。

夕食の時間

仕事が忙しく,帰宅時間が遅くなるため,帰宅したらすぐに寝てしまうということはないでしょうか。
私も遅くなることが少なくないため,悩ましい問題として抱えています。
夕食後は基本的に寝るだけなので,食べてすぐ寝るが続くと余剰栄養が脂肪として蓄積され,その結果,肥満や生活習慣病につながるリスクが生じるとのことです。
某栄養士の方は,就寝の2時間前までに夕食が終わっていることが望ましいとしています。

理屈としてはわかっているのですが,食後は副交感神経が優位になって眠気が襲ってくることに加え,明日のことも考えて睡眠時間を確保しておきたいという思いもあり,2時間空けられないこともしばしばです。
負荷の少ない運動をして眠気を散らすことも一計ですが,何をしようと眠いものは眠いんですよね(苦笑)。
勤務先からの帰宅途中にランニングをしている方をときどき見かけ,さすがに走りながら寝ることはないだろうとは思うのですが,個人的にランニングがどうも苦手で・・・
最近の工夫としては,平日夕食時にアルコールの摂取を控えており,その結果,酒による寝落ちはなくなったように思われます。
三重県の地酒は美味ですので,楽しみが減るのはつらいところですが。

鰯文化

三重県津市は,古くからマイワシの漁獲量が多く,酢で締めた鰯を用いた鰯寿司が食べられていたとのことです。
津市で弁護士業務を行っている関係上,市内のあちこちに行く機会はあるものの,鰯の専門店は見かけたことがなく,この度の報道を見て意外に思いました。

鰯は痛み方が速いし,身も崩れやすいので,寿司で問題ないものを提供するには,相応の目利きと技術が必要な気がしますね。

あまりネガティブなことを言うのもなんですが,もし,痛んだ鰯を提供して,食中毒等が生じた場合はどうなるでしょうか。
食品衛生法6条は「次に掲げる食品又は添加物は,これを販売し(不特定又は多数の者に授与する販売以外の場合を含む。以下同じ。),又は販売の用に供するために、採取し、製造し、輸入し、加工し,使用し,調理し,貯蔵し,若しくは陳列してはならない。」と規定し,1号は「腐敗し,若しくは変敗したもの又は未熟であるもの。ただし,一般に人の健康を損なうおそれがなく飲食に適すると認められているものは,この限りでない。」としています。
それ故,痛みが進んだものを誤って提供して,食中毒でも発生したら,前記食品衛生法違反として罰せられる可能性があります。
同法6条違反の罰則は,同法71条1号が規定しており,3年以下の懲役または300万円以下の罰金です。
また,被害者から個別の損害賠償請求を受けるリスクもあります。

鰯は焼いたり,煮たりして食べたことは数多くありますが,酢締めの鰯は食べたことがない気がします。
一度食してみたいものです。

ゴミ発電と不法投棄

三重県桑名市で行われていたゴミ燃料の発電事業が9月17日に終了したとの報道がありました。
累積赤字は約24億円とのことです。

可燃ごみを細かく砕いて固めたごみ固形燃料をRDFと呼称するそうですが,三重県は,これまで約91億円をかけてRDF事業に取り組んできたとのことです。

しかし,上記のように赤字が累積して事業が軌道に乗ることはなく,この度,前倒しで終了となったとのことです。
循環型社会の実現は色んなところで唱えられていることですが,そう簡単にはいかないといったところでしょうか。
素人目線で申し訳ないですが,今回の貴重な経験も踏まえて,どこかで再チャレンジしていただきたいですね。

ゴミで思い出しましたが,以前,不法投棄で立件された方の弁護人を務めたことがあります。
廃棄物処理法16条は「何人も,みだりに廃棄物を捨ててはならない」と規定し,これに違反した場合は,同法25条14号に基づき,5年以下の懲役,または,1000万円以下の罰金に処せられるとされています(併科可)。
これらの法律を知らずとも,ほとんどの方は,勝手に公道や第三者の土地にゴミを捨てることがよくないことであるという認識は持っているはずです。
しかし,面倒だとか処理費用がもったいない等の動機で,不法投棄を行う方が一定数いるのが現状です。

なお,被疑者・被告人は,誰も見ていないだろうとか,こんなところに防犯カメラはないだろうと考えて実行していますが,思わぬところで見られていたり,映っていたりします。
前科者となった場合のデメリットを考えると,各自治体のホームページで確認するなどして,適切な処理を行うのが一番だと思われます。