日別アーカイブ: 2015年8月6日

戸籍の焼失1

親族関係を確認する場合,戸籍を辿る方法をとるのが一般的です。
裁判手続で親族関係を証明する場合にも,亡くなられた方の一生分の戸籍を取得することになります。

相続関係の戸籍を取得すると,役所から,しばしば,戸籍が焼失したため残っていませんと言われることがあります。
津市で昭和の初め頃の戸籍を取得する場合,焼失していると言われることがあるようです(たとえば,松阪市の案件でも,関係者が住所を移動しているため,他市町村の戸籍を取らなければならないことがしばしばあります)。
どうも,過去に,戦争中の火災(昭和20年7月の空襲が原因のようです)により,津市の本庁で保管していた戸籍が焼失してしまったことがあるようです。

このように,戸籍が戦災等により焼失した場合,役所は戸籍を再製することとなります。
焼失してしまった戸籍を,新たに作り直すことになるのです。
このような場合,焼失してしまった戸籍は,役所に残ってないわけですから,戸籍を再製するためには,焼失前の戸籍の内容がどのようなものであったのかについて,情報収集を行わなければならないこととなるのです。
親族関係についての情報を持っているのは,当の親族本人になりますので,役所は,親族関係について申出を行うよう求めることとなります。
そして,親族関係についての申出がなされれば,申出の内容を反映して,新たに戸籍を再製することができるのですが,申出がなされなかった部分については,戸籍を再製することができなくなってしまうのです。

津市でも,昭和22年頃に,親族関係についての申出を受けたものの,一定程度申出がなされなかった部分があり,このため,焼失した昭和の初め頃の戸籍が残っていない状態になっているのです。

このような理由から,戸籍を辿った結果,曾祖父母の代までさかのぼることができたものの,その兄弟姉妹の戸籍が途中から焼失してしており,曾祖父母の兄弟姉妹の子孫がいるのかどうかが把握できないということが,しばしばあります。