弁護士法人心 四日市法律事務所に所属しております,弁護士の北野と申します。
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業務上横領
三重県南伊勢町の町立南伊勢病院で会計を担当していた男性職員が、約1億5000万円を着服していたという疑惑が報道されています。
仮にこれが事実で、前記金額を弁償できない場合は、業務上横領罪(刑法253条、10年以下の懲役)として起訴され、初犯であっても、被害額の大きさから実刑になる可能性があると思われます。
未弁償の被害金額は、財産犯の罪の重さを決める大きな要素となるからです。
前記職員は、アイドルへの推し活やゲーム課金につぎ込んだとのことであり、どれだけ残っているかは?ですが。
会計担当者のように、直にお金を扱う業務に携わる人は、頻繁に着服・横領の誘惑にさらされています。
そして、残念ながらその誘惑に負けてしまう人は後を絶ちません。
実際、横領に関する報道は、よく目に耳にするところです。
団体・企業は、経験上、前記のようなことがわかっているので、複数人で事前・事後にチェックする、システム上担当者個人で動かせる金額の上限を定める、短期スパンで人事異動を行う等の対策をとっています。
完璧な対策はあり得ませんが、担当者に横領はできないと思わせる、横領されても大きな金額を動かせないようにすることが大事なのでしょう。
本件の報道によれば、前記職員は、約3年前からほぼ一人で担当していたとのことであり、対策がいささか不十分だったのかもしれません。