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過払金返還請求にかかる期間
- 最終更新日：2021年6月2日
１ はじめに
過払金返還請求を行い、実際に返還されるまで、ある程度の期間を要します。
弁護士に依頼すれば、すぐに返還されると思っていらっしゃる方もいらっしゃいますが、実は残念なことですが、そうではありません。
どれぐらいの期間がかかるのか、おおよその目安にはなりますが、以下述べていきたいと思います。
２ 過払い金請求の流れ
⑴ 取引履歴の入手
過払い金の返還を求める場合、まずは、過払い金の発生の有無、そして、過払い金の金額を知る必要性があります。
この過払い金の有無や金額を知るためには、取引明細が必要となります。
そこで、取引明細は、取引のあった金融機関に開示してもらうこととなります。
まず、この開示がなされるまでに、１～２か月程度の期間を要します。
⑵ 引き直し計算・請求
取引明細が届きましたら、法定金利で計算し直し（引き直し計算）、過払い金が発生していた場合、金融機関にその返還を求めます。
⑶ 交渉
上記⑵のとおり、返還を求めましたら、いくら返還を求めるのかの交渉が始まります。
と言いますのは、請求額全額を認めてくることはまずありません。
過払い金の返還を求める場合、過払い金の元本のみならず、過払い利息を求めていきます。過払い金の返還を求められた金融機関の大半は、まずこの過払い利息の全額認めない旨の主張をしてきます。
また、過払い利息を含めない元本のみの計算で算出した、過払い元本の何割かの返還で、と提示をしてきます。
⑷ 示談または訴訟
上記⑶の交渉の結果、示談が成立することもあれば、示談が成立せず、訴訟となる場合があります。
３ 示談が成立した場合
交渉の結果、過払い金返還額に合意ができ、示談が成立した場合、あとは入金を待つこととなります。
示談成立から入金まで、数か月要します。おおよそ２～６か月程度が目安ですが、１年先を提示されたこともあります。
仮に、入金が示談成立後３か月後の末日などとした場合、弁護士介入から入金まで、早くとも５か月程度の期間を要することになります（履歴開示まで１か月、交渉に１か月、入金までに３か月として）。
入金までの期間が長い業者だったり、履歴開示が遅い業者だと、さらなる期間を要します。
４ 訴訟となった場合
示談が成立せず、訴訟となった場合、さらなる期間を要します。
訴訟の途中で和解することもありますが、判決まで至ることもあります。
判決までとなると、最低でも６か月は見ておく必要があります。争点の多さによっては、１年を要することもあります。
また、和解が成立した場合や判決まで至った場合でも、その後、入金までとなりますと、弁護士介入から入金まで１年前後を要することとなります。
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