「債務整理」に関するお役立ち情報
債務整理をした場合車はどうなるのか
- 最終更新日：2024年6月26日
１ ローンが残っている場合
車にローンが残っている場合、通常、車の所有者欄はローン会社やディーラー会社の名義になっています。
そうすると、当該車のローンも債務整理の対象とした場合には、ローン会社に車が引き上げられてしまうことになるので、車を手元に残すことはできなくなります。
そのため、車のローンがあるが車を残しておきたいという場合には、その車のローンを対象から外して任意整理を行う必要があります。
個人再生や自己破産手続きを選択した場合、債権者平等の観点から、車のローンは債務整理の対象から外すということはできないためです。
２ ローンが残っていない場合
⑴ 任意整理の場合
任意整理の場合は、基本的に財産処分等は行われないため、そのまま手元に残すことができます。
もちろん、自動車を売却して返済に回すことも可能です。
⑵ 個人再生の場合
個人再生の場合、最低弁済額（再生計画において支払うべき金額）との関係で車の存在が問題となります。
車の価値も清算価値に含まれるため、車の価値が最低弁済額にかかわってきます。
車の価値も含めた最低弁済額を再生計画に基づいて支払っていけるのであれば、車を処分することなく、手元に残しておくことができます。
そのため、個人再生の場合に、車を残せるか否かは、その車にいくらの価値があるかということに左右されます。
⑶ 自己破産の場合
車は処分の対象となりますので、手元に残せないという結論になりそうですが、車の年式等によっては、財産価値をゼロと扱うことができ、処分対象とならないこともあります。
また、自由財産の拡張等によって、手元に残すことができることもあります。
３ 車のローンが残っているが自己破産をしても残したい場合
基本的には、上記のとおり、ローンが残っている場合にはその車はローン会社に引上げられてしまいます。
逆に言えば、車のローン残高を全額支払えば、ローン会社に引き上げられることはなく、手元に車を残すことができます。
ただ、ここで注意が必要です。
ローン残高を破産者自身が払ってしまうと、偏頗弁済に該当することになってしまいますので、慎重な対応、工夫が求められます。
４ 注意すべき点があるため弁護士にご相談ください
車の取り扱いに関し、不適切な対応をしてしまうと、車を手放さざるを得ない状況になるのみならず、免責許可決定にも重大な影響を及ぼしかねません。
そのため、債務整理しようと考えられた場合、まずは、弁護士にご相談ください。
