遺産分割についてお悩みの方
1 遺産分割は弁護士にご相談ください
故人の意思が特に示されていない場合や、示されていても分け方を指定されていない財産が残っていたような場合などには、遺産分割協議が発生することがあります。
遺産分割は、相続人・相続財産を明確にし、相続人全員で話し合う必要がありますが、「手続きの進め方が分からない」「遺産の分け方で意見が対立している」等の理由から、遺産分割協議がスムーズに進まないこともあるかと思います。
弁護士がお悩みをお伺いし、適切なご提案をさせていただきますので、津で遺産分割でお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。
2 遺産分割を弁護士に依頼するメリット
⑴ 弁護士に代わりに交渉してもらえる
遺産分割は、相続人全員で話し合う必要があります。
話し合いの相手に対して、自分の意見を思うように伝えられなかったり、相手の意見を押し付けられたり等、話し合いを負担に思う方もいらっしゃるかと思います。
弁護士は、依頼者の方の代理人として、代わりに交渉することができますので、遺産分割を弁護士に依頼すれば、ご自身で交渉せずに済みます。
⑵ 手続きについて的確なアドバイスをもらうことができる
遺産分割の進め方や、遺産をどのように分ければよいか、どういった点に注意すべきか等、法律の観点から的確なアドバイスをもらうことで、不利益の回避やトラブルの予防につながる可能性が高いです。
⑶ トラブルにも対応してもらえる
遺産分割協議で他の相続人と意見が対立し、トラブルに発展してしまう場合も見受けられます。
そのような場合も、弁護士は代理交渉ができますし、万が一遺産分割調停になったとしても、代理人として対応できます。
津の事務所について
津駅近くのアクセスのよい便利な立地にあります。遺産分割で揉め事が生じた場合に、相談しやすい場所に事務所があるかと思います。詳しい地図等はこちらをご確認ください。
遺産分割についてどのような弁護士に相談すべきか
1 遺産分割に関係する法律、裁判例を熟知し、適切に利用することができること
遺産分割については、法律、裁判例をどのように当てはめるかが勝負を分けることがあります。
このため、法律、裁判例を熟知し、適用に利用することができることが望ましいです。
近年では、遺産分割に関する法律の改正が多くなされています。
たとえば、特別受益、寄与分に関する主張は、現在では、相続から10年が経過して調停や審判の申立がなされると、主張することができないこととされました。
このため、特別受益や寄与分の主張を行いたい場合には、相続から10年以内に合意を成立させるか、相続から10年以内に調停や審判の申立を行うかの、いずれかの対処が必須となります。
この点を看過し、調停や審判の申立の時期を逸してしまい、特別受益、寄与分の主張を行うことができないこととなってしまうと、遺産分割の結果について不利益が生じる可能性があります。
また、遺産分割に関する裁判も日々なされています。
類似する事案でどのような裁判例があるかを知っていると、この事案ではこのように分割すべきという主張を行いやすいです。
しかし、遺産分割についての裁判例は、他の分野と比較し、個別性が強く、情報が広く周知されることも少ないため、裁判所であっても、網羅的に把握していないことが多い傾向にあります。
このため、裁判例に関する情報を広く入手し、類似するものを裁判所に対して紹介することにより、結論を大きく左右することができることがあります。
このように、法律、裁判例を熟知し、適用に利用することができかどうかにより、結論が大きく左右される可能性がある以上、これらを熟知している弁護士に相談するのが良いと言えます。
2 手続上の問題を把握していること
遺産分割が成立すると、遺産分割協議書が作成されることとなります。
遺産分割協議書が作成されると、当事者である相続人間では、相続問題は解決したこととなりますが、その後、相続手続を進めなければならないという課題が残ります。
そして、遺産分割協議書に不備があると、法務局、銀行、証券会社で相続手続を完了することができないことがあります。
このような事態が生じると、遺産分割協議書を作成し直すこととなりますが、他の相続人が作成のし直しに応じないことがあり、八方塞がりになることも起こりかねません。
このため、遺産分割協議書を作成するにあたっては、手続が可能かどうかを検証し、適切な表現を用いて協議書を作成することが必要不可欠です。
そのためには、どのような手続上の問題があるかについて、網羅的に把握している必要があると言えます。
たとえば、土地上に建物が存在し、登記簿上も建物の存在が確認できるため、登記簿の記載に基づいて遺産分割協議書を作成してしまうことがあります。
しかし、実際には、登記簿に記載された建物が取壊済みであり、新たに別の建物が未登記で建てられている場合があります。
このような場合に、登記簿の記載に基づいて遺産分割協議書を作成してしまうと、実際に土地上に存在する建物は記載されておらず、すでに取壊済みの建物が記載されていることとなってしまいます。
このような遺産分割協議書では、実際に土地上に存在する建物について、未登記家屋の所有者変更届を行うことができず、相続手続を進めることができません。
未登記建物について相続手続が済んでいないと、第三者に建物付で土地を売却できない等の不都合も生じかねません。
以上のとおり、手続上の問題を踏まえた遺産分割協議書を作成しなければ、相続手続を終えることができず、様々な不都合が生じかねません。
そして、こうした手続上の問題を網羅的に把握している弁護士は実のところ少ないです。
これは、弁護士は、代理人として手続まで行うことは少なく、依頼者本人や他の士業に手続を委ねることが多いためです。
以上の理由から、遺産分割については、手続上の問題を網羅的に把握している弁護士に相談するのが望ましいと言えます。
遺産分割協議書作成の注意点
1 実印を押印し、印鑑証明書を添付すること
遺産分割協議書は、遺産分割について相続人が合意した事項を明確にするとともに、遺産の払戻、名義変更手続を行うために作成されます。
遺産の払戻、名義変更手続を完了できるようにするためには、法務局や金融機関、証券会社が、遺産分割協議書について、確かなものであることが確認できる状況になっている必要があります。
このように、遺産分割協議書が確かなものであることを明らかにするため、遺産分割協議書には、相続人全員の実印を押印し、印鑑証明書を添付する必要があります。
なお、印鑑証明書については、法務局で不動産の名義変更手続を行うだけなら、住所や氏名の記載が一致していれば、古いものでも手続を行うことができます。
他方、金融機関や証券会社との関係では、有効期間が設定されていることがほとんどです。
有効期間は、多くの場合は6か月ですが、短いところでは3か月とされています。
2 被相続人を特定する記載を設けること
法務局や金融機関、証券会社での手続を確実に進めるためにも、被相続人を特定する記載は必須です。
たとえば、被相続人の氏名が記載されているだけだと、同姓同名の別の人がいる可能性が排除できず、手続を進めることができません。
被相続人については、少なくとも、氏名、最後の住所、死亡年月日で特定を行う必要があります。
また、法務局や金融機関、証券会社は、これらの記載を、戸籍や住民票の除票で確認しますので、これらの記載を戸籍や住民票の除票の記載一致させる必要があります(ただし、二丁目3番1号を、2-3-1と記載するくらいの相違は許容範囲内とされています)。
3 相続人を特定して記載すること
同様の理由から、相続人を特定して記載しなければなりません。
相続人については、少なくとも、住所、氏名を記載し、印鑑証明書の記載と一致させる必要があります。
4 財産を特定して記載すること
遺産分割協議書では、財産を特定して記載する必要があります。
たとえば、土地については少なくとも所在と地番、建物については少なくとも所在と家屋番号を記載し、特定を行います。
株式や有価証券については証券会社名、支店名、顧客番号、銘柄、口数等で特定を行います。
預貯金については銀行名、支店名、種類、口座番号で特定を行います。
自動車についてはナンバーで特定を行います。
もっとも、「●●がすべての財産を取得する」といった記載を設ける場合は、払戻や名義変更の対象になる個々の財産はすべての財産に含まれることが明らかですから、このような記載方法でも問題ないとされています。
他には、「●●銀行の預金以外のすべての財産を取得する」といった記載も差し支えないとされています。