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弁護士法人心 津法律事務所

自己破産をお考えで免責不許可事由がある方へ

  • 文責:代表 弁護士 西尾有司
  • 最終更新日:2024年5月22日

1 免責不許可事由とは

自己破産手続きを行い、最終的に裁判所から免責許可決定が出されて初めて法律上破産債権について支払い義務を免れることになります。

そのため、自己破産手続きを行う場合、免責許可がなされるのかが最大のポイントです。

免責不許可事由とは、自己破産による免責が認められない事由・ケースのことを言います。

2 免責不許可事由に該当するケース

免責不許可事由については、破産法第252条1項に列挙された以下のケースが該当します。

⑴ 債権者を害する目的での不当な財産価値減行為

⑵ 破産手続きを遅延させる目的での不当な債務負担行為

⑶ 偏頗弁済(特定の債権者にのみ返済を行う行為)

⑷ 浪費・賭博その他の射幸行為

⑸ 詐術を用いた信用取引行為

⑹ 帳簿書類等の隠滅行為

⑺ 虚偽の債権者名簿の提出行為

⑻ 調査協力義務違反

⑼ 管財業務等に対する妨害行為

⑽ 7年以内に免責許可を受けていた場合

⑾ 破産法上の義務違反行為

3 裁量免責

上記の免責不許可事由に該当する場合、本来であれば、免責を許可してもらうことはできないことになりそうです。

しかしながら、免責不許可事由に該当する場合には、必ず免責が許可されず、自己破産手続きを行うことができないというわけではありません。

破産法第252条2項は、免責不許可事由に該当する場合であっても、「破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。」と定めています。

すなわち、免責不許可事由に該当する場合であっても、裁判所の裁量により、免責許可を得ることができるケースがあります。これを裁量免責と言います。

例えば、ギャンブルなどの免責不許可事由があったとしても、ギャンブルによる借り入れが債務全体に占める割合からすれば少額である場合や、反省文を提出し、同じことを繰り返さないための対策などを主張することにより、免責を得られることがあります。

4 裁量免責でも難しい場合

裁量免責であっても、免責を得られる見込みが厳しい場合は、任意整理や個人再生といった自己破産以外の手続きを検討する必要があります。

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