他の弁護士と共同して相続のホームページのリニューアルに着手することになりました。
今回は,相続に関する情報提供の部分を充実させていきたいと思います。
夏頃を目途に,リニューアルを完了させたいと思います。
ホームページのリニューアル
離婚調停の前置3
それでは,裁判所は,どのような場合に,調停を前置しないことを認めてくれるのでしょうか。
私が弁護士として関わった案件では,以下の場合に,調停を前置せずに離婚訴訟を進めることが認められました。
第1に,相手方が行方不明の場合です。
相手方が家を出て行って,行方がまったくわからない場合,外国人と結婚したものの,外国人が退去強制を受けることとなった場合などが,これに当たります。
相手方がどこにいるかわからない以上,そもそも話し合いを行うことができないでしょうとなるのです。
ただし,相手方の電話番号がわかる場合や,相手方の親族を通して相手方と連絡を取ることができる場合には,裁判所の判断で調停に付される可能性があります。
第2に,相手方に判断能力がない場合です。
相手方が認知症にり患している場合や,脳梗塞を発症した場合などが,これに当たります。
これらの場合には,訴状の中に具体的な事情を書き込んだり,上申書を作成したりした上で,離婚訴訟を提起することとなります。
手続をスムーズに進めるためには,資料として,相手方宛の手紙を不在票や,相手方の診断書などを,一緒に提出した方が良いでしょう。
離婚調停の前置2
離婚では,最初に調停を前置することが,法律上のルールとされています。
ただ,このルールにも例外があります。
家事事件手続法257条2項ただし書は,裁判所が調停に付することが相当でないと認める場合には,調停を経ることなく提起された離婚訴訟を,調停に付さなくてもよいものとしています。
ですから,一定の場合には,調停を経ることなく,離婚訴訟を進めることができるということになります。
問題は,裁判所が,どのような場合に,調停に付することが相当ではないと認めてくれるかです。
一般には,当事者間での話し合いによる解決が見込まれない場合には,調停を前置しないことが認められる可能性があります。
調停は,当事者間の話し合いによる合意を試みる手続です。
裏返せば,当事者間の話し合いによる合意が見込まれない場合には,調停を前置することが相当とされない可能性があるのです。
ただ,実際には,過去の話し合いがうまくいかなかったくらいでは,裁判所は,調停を前置しないことを認めてくれないと考えた方が良いでしょう。
私自身,弁護士を交えての数か月に及ぶ協議により合意が成立しなかったため,協議による解決が困難であるものとして審判申立を行った例がありますが(遺産分割の事案です。),結局,調停手続に付されることとなりました。
法律で調停を前置するものとされている以上,調停を前置しなくてよいのは,あくまでも例外的な場合に限られるのです。
話し合いによる解決が見込まれない場合とは,実際には,それなりの事情が要求されてくるのです。
離婚調停の前置1
話し合いにより離婚できない場合に,法的に離婚するため,調停・訴訟を起こし,離婚を求めることになります。
一般的には,弁護士が代理人として動くのは,調停・訴訟になった場合が多いです。
離婚調停は,夫と妻が裁判所へ来て,調停委員を介してやり取りを行うことにより,合意を試みる手続です。
夫と妻の合意ができなければ,調停は不成立となり,離婚することはできなくなります。
調停については,こちらの資料が詳しいです。
離婚訴訟は,判決により,離婚を成立させることを言います。
訴訟により離婚が認められるためには,離婚原因が存在することを証明しなければなりません。
離婚判決が出され場合には,相手方が離婚したくない場合であっても,離婚が成立することとなります。
このように,裁判所で行われる手続には,離婚調停と離婚訴訟がありますが,一般に,最初から離婚訴訟を起こすことはできないこととされています。
法律上,離婚訴訟は,離婚調停を経なければ,起こすことができないこととされているのです。
ですから,仮に,離婚調停を経ずに離婚訴訟を起こしたとしても,裁判所は,調停に付するとの判断をし,離婚調停が開始されることとなります。