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倍率地域の土地の相続税評価③

名寄帳や固定資産税の納税通知書を確認すると、固定資産評価額が0円とされている土地が記載されていることがあります。
自治体によっては、固定資産評価額が0円である土地は、固定資産税の納税通知書には記載がなく、名寄帳を取得しなければ、存在を確認することができない場合もあります。
たとえば、宗教法人の境内地、墓地、公衆用道路、用悪水路、ため池、堤防、保安林については、固定資産評価額が0円とされています。

これらについて、相続税評価がいくらになるかは、ケースバイケースです。
土地の種類、状況によっては、固定資産評価額が0円であるにもかかわらず、相続税評価額をつけなければならない土地が存在することとなります。
具体的には、以下のとおりです。

公衆用道路は、道路として使用されている土地のことを言います。
私有地であっても、実際に道路として使用されている土地については、公衆用道路と扱われることがあります。
公衆用道路については、不特定多数人が使用するものでしたら、相続税評価でも、0円で評価することとなります。
他方、特定人しか使用しないものでしたら、私道ではないものとして相続税評価額を付し、これを3割減じることにより評価することとなります。
このように、公衆用道路については、実際に誰が利用しているかを確認した上で、相続税評価が付くかどうかを判断しなければならないことがあります。
そして、3割減で評価すべき場合には、固定資産評価額自体は0円であり、これをベースに評価額を計算することはできませんので、近傍宅地の評価額に宅地の評価倍率を乗じ、土地の形状や公法規制等による増減額修正を行い、最後に3割減をして評価額を算定することとなります。

ため池は、貯水池が存在する土地のことを言います。
ため池については、原野に準じて評価することとなっていますが、固定資産評価額では0円となっていることがあります。
このような場合には、近傍の原野の1㎡あたりの評価額を調査し、これに原野の評価倍率を掛け算し、地積を乗じるとの計算を行う必要が生じてきます。
近傍の原野の1㎡あたりの評価額については、市町村役場で確認することとなります。

保安林は、水源の保護、防災等の公益目的のため、伐採等の制限がなされている山林のことを言います。
保安林については、固定資産評価額が0円となっていますが、相続税評価においては、近傍の山林の1㎡あたりの評価額を調査し、これに山林の評価倍率を掛け算し、地積を乗じた上で、伐採制限に応じて一定割合を控除することにより、評価額を算定することとなります。
具体的には、伐採制限が一部皆伐の場合は0.3、択伐の場合は0.5、単木選伐の場合は0.7、禁伐の場合は0.8が控除割合となります。
近傍の山林の1㎡あたりの評価額については、市町村役場で確認することとなります。
伐採制限については、都道府県に問い合わせて確認することが多いです。三重県でも、県庁の農林水産部地産林道課森林管理班に問い合わせて確認することができます。