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後見開始申立4

申立費用を成年被後見人の負担とするには,以下のような手続を踏むことが多いです。

申立を行うに当たり,申立のための必要書類と一緒に,収入印紙代等を成年被後見人の負担としてほしいと書いた内容の上申書を,裁判所に提出します。
ただ,鑑定費用の額については,申立が行われた後に,裁判所が医師等と協議して,いくらであるかが決まることになります。
ですから,鑑定費用については,申立後に,正式に鑑定費用の額が決まってから,鑑定費用を成年被後見人負担としてほしいとの内容の上申書を提出することが多いです。

上申書が提出されると,裁判所は,成年被後見人の資力等を考慮の上,成年被後見人に申立費用を負担させるべきかどうかを(職権で)判断することとなります。
成年被後見人の負担となる場合には,後見開始の決定書において,申立費用○円を,成年被後見人の負担とすることが明記されることとなります。

後見開始申立3

それでは,後見開始申立に必要となった費用について,精算を行うことはできないのでしょうか。
この点については,法律上,特別な事情がある場合には,成年被後見人(判断力が低下した人)の負担とすることができるものとなっています(非訟事件手続法28条)。
具体的には,成年被後見人に十分な財産がある場合等に,特別な事情があるものとして,成年被後見人が申立費用を負担すべきものとされています。

ただ,申立費用を成年被後見人の負担とするためには,裁判所の決定を得る必要があります。
成年被後見人に十分な財産があるからと言って,当然に,成年被後見人に申立費用分を請求することができるというわけではないのです。

また,申立費用の成年被後見人負担は,収入印紙代や鑑定費用等,限られたものについてのみ認められる者です。
たとえば,後見開始申立を弁護士等に依頼した場合に,弁護士費用を成年被後見人負担とすることができるかについては,厳しいと言わざるを得ません。

後見開始申立2

事件の相手方について後見開始申立を行う場合には,注意すべき点があります。

後見開始申立を行うに当たっては,様々な費用が必要となります。
たとえば,申立を行う裁判所に対し,2600円分の収入印紙を提出する必要があります。
また,診断書等で判断力が著しく低下していることが明らかな場合には,問題が少ないのですが,判断力が著しく低下しているかどうかが明らかではない場合には,裁判所で医師に鑑定を依頼し,判断力の低下の程度について,鑑定書を書いてもらう必要があります。
このような場合には,5から10万円の鑑定費用を,後見開始申立を行う人が納める必要があります。

それでは,後見開始申立に必要な費用は,誰が負担することになるのでしょうか。
法律上は,原則として,後見開始申立に必要な費用は,申立を行う側の負担とされています。
後見開始申立は,判断力が低下した人のために行うものですが,実際には,申立を行う側で,費用を負担しなければならないのです。
ですから,申立に必要な費用を申立人が納めなければ,手続を進めることができないことになってしまうのです。
弁護士として事件を進めるに当たっては,申立に当たり,申立費用を負担しなければならないことになっていることを,あらかじめ説明しておく必要があると言えます。

後見開始申立1

認知症等により判断力が低下している場合には,1人で有効な契約等ができなくなる等,様々な制限が加わることとなります。
最近では,身近な人が判断力が低下した場合に,後見人をつけて,代わりに契約等を行ってもらうことも散見されるようになってきています。
私も,後見開始申立の案件自体を受けることが,しばしばあります。

他に弁護士として後見開始申立を行う場面としては,事件の相手方の判断力が低下している場合があります。
たとえば,遺産分割の手続は,相続人全員が手続に加わらなければ,進めることができません。
ですから,相手方である相続人の1人に,判断力が低下している方がいる場合には,そのままでは,有効な遺産分割を行うことができません。
このような場合に,当方から,相手方について後見開始申立を行い,判断力が低下した人に後見人を付けた上で,遺産分割の手続を進めることができます。