日別アーカイブ: 2026年3月23日

かんぽ生命の特約還付金

かんぽ生命の簡易生命保険を契約されている方は多いと思います。
簡易生命保険は、一般的な保険と同様、終身保険や養老保険、年金保険等の種類があります。
よく見かけるのは、終身保険だと思います。
終身保険を契約すると、被保険者が亡くなったときには、死亡保険金等が支払われることとなります。

この簡易生命保険の死亡保険金が発生するときには、注意しなければならないポイントがあります。
それは、死亡保険金だけでなく、特約還付金が発生することがあるということです。
特約還付金は、保険契約の消滅に伴い、特約分の保険料の積立金が払い戻されるというものです。
この特約還付金は、死亡保険金とはまったく異なるものであり、弁護士の仕事でも、税理士の仕事でも、注意しなければならない存在です。

特約還付金は、積み立てた保険料が返金されるものであるため、相続財産に該当します。
法的には、保険金契約に基づく受取人固有の財産ではなく、遺産分割の対象であることとなります。

その結果として、相続人が複数であるときは、相続人全員で遺産分割協議を行い、誰が取得するかを決定する必要がありますし、かんぽ生命への請求手続を行う場合にも、相続人全員で手続を行う必要があることとなります。
このため、相続人の1人でも手続に反対するときは、特約還付金の受取の手続を進めることができないことがあります。

また、相続税との関係でも、位置付けが異なってきます。
死亡保険金については、死亡保険金の非課税枠を利用することができ、500万円×法定相続人までは、相続税の課税対象から除外こととなります。
他方、特約還付金については、相続財産として扱われることとなりますので、死亡保険金の非課税枠を利用することができず、全額が相続税の課税対象とされます(細かい話ですが、保険金請求後の遅延損害金が支払われたときは、この遅延損害金は相続税の課税対象から除外されます)。

このように、特約還付金は、遺産分割や相続手続でも、相続税申告でも、位置付けが異なってきます。
特約還付金は、弁護士業務でも、税理士でも、取扱注意ということができます。
この点を誤認し、たとえば、特約還付金について、500万円×法定相続人までは相続税が非課税として申告してしまうと、誤った申告をしたこととなり、後日、修正をしなければならなくなる可能性があります。

分かりにくいのは、かんぽ生命から届く書類で、死亡保険金が支払われたが、特約還付金が支払われたかがはっきり書いていないものがあるということです。
このような場合は、かんぽ生命から届く別の書類を確認し、支払われたのかがどちらであるのかを確定する作業が必要になってきます。
この点を手抜きすると、先程述べたような、誤った申告をしてしまう可能性がありますので、確認作業を怠らずに手続を進める必要があります。