月別アーカイブ: 2014年 3月

岐阜地裁

岐阜地裁まで行ってきました。
以前から裁判所の建物の改修工事を行っていましたが,すでに改修工事は終了したようです。
最近は,裁判所の建物も,中高層化が進んでいるようで,岐阜地裁の建物も,6階建てになりました。

超過特別受益3

相続人の一部が多額の生前贈与を受けており,遺産がほとんど残っていない場合には,遺産分割の中で,贈与を受けた財産を戻すよう請求することはできません。
それでは,生前贈与を受けていない相続人は,生前贈与を受けた相続人に対して,一切法的主張ができなくなってしまうのでしょうか。

生前贈与を受けた財産が多額にのぼる場合には,相続人間で,著しい不均衡が生じているとの捉え方があります。
このような場合には,法律上,遺留分の主張をすることにより,不均衡をある程度修正することができるとされています。
生前贈与を受けた相続人に対し,遺留分減殺請求を行うことにより,生前贈与を受けた財産の一部の取り戻しを請求することができるのです。

ただし,遺留分として請求できるのは,あくまでも,法定相続分の2分の1(場合によっては3分の1)です。
また,遺留分減殺請求は,遺留分侵害の事実を知った時から1年(今回の場合だと,相続開始後に生前贈与の存在が明らかになった場合には,生前贈与の存在を知った時から1年)に限られます。
相続開始から10年が経過すると,そもそも,遺留分減殺請求ができなくなってしまいます。
このように,遺留分の主張をする場合には,いろいろと留意すべき点があります。

超過特別受益2

遺産が十分に残っている場合には,生前贈与を受けた相続人の取り分を少なめにし,相続人間での調整を行うことができるます。
これに対して,遺産がほとんど残っていない場合には,遺産分割の対象となる財産がほとんどなく,相続人間での調整を行うことができません。

それでは,このような場合に,生前贈与を受けた相続人に対し,贈与を受けた財産を遺産に戻すよう求めることはできないのでしょうか。
結論としては,生前贈与を受けたと扱われる以上,贈与を受けた財産を遺産に戻すよう求めることはできません。
ですから,遺産分割を行ったとしても,生前贈与を受けた相続人の取り分を0にすることはできますが,それ以上の主張を行うことはできないということになってしまいます。
遺産がほとんど残っていない場合には,遺産分割の中では,わずかな遺産を受け取ることしかできないということになってしまいます。

超過特別受益1

相続人の一部が,相続が始まる前に,多額の生前贈与を受けている場合があります。

仮に,相続人の一部が,勝手に遺産を使い込んだことが証明できるのであれば,相続人の一部に対して不当利得返還請求等を行うことが考えられます。

これに対し,相続人の一部が,遺産の大部分の生前贈与を受けたと主張する場合があります。
事案によっては,故人が生前贈与を行ったとの証拠が残っている場合もあります。

このように生前贈与が行われた場合には,遺産分割の手続の中で,特別受益の主張を行うことが考えらえれます。
これは,相続人の一部が多額の生前贈与を受けた場合には,遺産の前渡しがあったものと扱い,その相続人の遺産分割での取り分を減らすものです。
遺産が十分に残っている場合には,生前贈与を受けた相続人の取り分を少なめに,生前贈与を受けていない相続人の取り分を多めにし,相続人間での調整が行われることになるのです。