秘密証書遺言3

公証人の関与のもと,遺言を作成する場合は,公証役場に手数料を支払う必要があります。
手数料は,遺産の総額とは関係なく,一律1万1000円です。
これに加え,公証人が出張した場合には,日当や旅費を支払う必要もあります。たとえば,遺言者が公証役場に赴くことが困難であり,公証人の側が遺言者のいる場所(自宅,病院,施設等)まで出向く場合に,日当や旅費が発生することとなります。
他方,公正証書遺言の場合は,遺産総額により手数料が変動することとなっており,金額もおおむね秘密証書遺言よりも高額になります。

秘密証書の場合,遺言書の保管は,遺言者に委ねられます。
公証役場では,遺言を作成したこと自体は記録されますが,遺言書の原本を保管してもらうことはできません。
したがって,遺言者の側で,相続開始時まで遺言を確実に保管し,相続開始後に遺言を確実に発見してもらう手立てを講じておく必要があります。
遺言書自体が破棄されるおそれがある場合は,相続開始後に遺言内容を実現することができなくなってしまいますので,保管のため,何らかの手立てを講じておく必要があると言えるでしょう。

秘密証書遺言については,遺言内容を遺言者側で決めなければならない等,公正証書遺言と比較して,遺言者の側がリスクを負う場面が何か所かあります。
これらのリスクについては,専門家が遺言書の内容をチェックする等,遺言書作成に弁護士等の専門家が関与することにより,減らすことができるでしょう。

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