日別アーカイブ: 2012年3月8日

養子と相続2

養子は,原則として,血縁上の親の相続人になります。

 

しかし,特別養子の場合は例外です。

特別養子とは,1987年に施行された制度です。

特別養子縁組を行うことにより,養子は,養親の親族になるとともに,血縁上の親との親族関係を失います。

ですから,特別養子は,血縁上の親の相続人にはならないのです。

 

弁護士として,養親子間の相続について相談を受ける際には,特別養子である可能性を頭の片隅に置きつつ,相談後,戸籍で特別養子であるかどうかを調べた上で,事件を進めていくことになります。

もちろん,養子縁組が明らかに1987年(特別養子の制度が施行された年)以前である場合には,特別養子である可能性は考えなくても良いです。

養子と相続1

養子は養親の財産を相続できます。

 

それでは,養子は血縁上の親の財産を相続できるのでしょうか。

 

答えは,原則として「できる」です。

ですから,相続が発生し,遺産分割協議等を行う場合には,養子に出た子も,遺産協議等に参加する必要があります。

養子に出た子を参加させずに行った遺産分割協議等は,無効となってしまいます。

 

このような場合には,養子に出た子と,養子に出なかった子とが,疎遠になっている場合が多いです。

このため,養子に出なかった子が,養子に出たこの存在を見過ごして,遺産分割協議を進めてしまうこともあり得ます。

 

弁護士として,遺産分割の事案を扱う場合には,戸籍をさかのぼり,相続人になり得る子が誰であるのかを調査する必要があります。

戸籍自体は,各市町村役場(たとえば,松阪市に住んでいた時期については,松阪市役所)で,取得することができます。