日別アーカイブ: 2015年2月14日

調停での電話会議2

調停を利用する代表的な場面としては,最初に離婚調停が挙げられると思います。
他にも,養育費調停等,様々な種類の調停がありますが,私が扱うことが多いのは,遺産分割調停です。

遺産分割調停についても,電話会議を利用することが認められています。
遺産分割の場合,相続が複数回起きている案件等では,相続人が遠方にいるため,毎回,全員に出席していただくのが厳しいこともあります。
このような場合には,遠方の当事者については,調停期日への出頭を求める回数を減らす,調停に代わる決定を用いる等,様々な工夫が行われています。
この点,現行法下では,電話会議等を用い,遠方の当事者や弁護士とやり取りするという選択肢を用いることもできるようになったのです。

ただ,遺産分割調停については,図面を示す等,相対してやり取りしなければ情報の共有が難しいことも,多々あります。
こうしたデメリットを考えると,遠方の裁判所であっても,直接出向いた方が良いのではないかということになります。

ところで,私自身は,現行法が施行されて以降,一度,遺産分割審判の段階で,電話会議を用いたことがあります。
当事者が誰も管理していない土地についての遺産分割の案件であり,調停委員に図面を示す等して説明する必要が小さかったということもあり,その案件については,さほど支障を感じませんでした。
他にも,電話会議の利用を試みましたが,裁判所の設備上の理由により断られたこともあります。