日別アーカイブ: 2023年1月15日

全血兄弟と半血兄弟2

次の場合はどうでしょうか。

・ 甲と乙の間に、実子として、被相続人とAが生まれた。

・ 丙と丁の間に、実子として、Bが生まれた。

・ その後、Bが、甲と乙の養子となった。

この場合、Bは、法律上、甲と乙との間に親子関係が生じることとなります。

このため、被相続人とBは、ともに、甲と乙を共通の親とするの子であることとなりますので、全血兄弟になります。

したがって、被相続人が亡くなった場合の相続分は、Aが2分の1、Bが2分の1になります。

次の場合はどうでしょうか。

・ 甲と乙の間に、実子として、被相続人とAが生まれた。

・ 丙と丁の間に、実子として、Bが生まれた。

・ 乙が死亡した。

・ その後、Bが、甲の養子となった。

このような事例で、法務局の先例は以下のような判断を行っています。

この場合、Bは、法律上、甲との間だけ、親子関係が生じます。

このため、被相続人とBは、甲のみを共通の親とする子であることとなりますので、半血兄弟になります。

Bからみると、甲が唯一の養親となりますが、全血兄弟かどうかは、あくまでも、何名の親を共通とするかで判断されることとなります。

今回は、1名の親を共通とするのみですので、半月兄弟であることとなります。

したがって、被相続人が亡くなった場合の相続分は、Aが3分の2、Bが3分の1になります。

三重県で担当した案件でも、上記の2番目の事例が問題となったことがあります。

家庭裁判所と協議し、法務局の先例を踏まえ、半血兄弟であるとの前提で、調停に代わる審判がなされることとなりました。