日別アーカイブ: 2026年8月15日

リフォームと相続税評価⑴

1 相続税評価への影響
建物についてリフォームを行った場合には、建物の利用価値が向上することとなり、建物の評価額が増額されることがあります。
相続税申告を行うに当たっても、建物の評価額を算定する際にも、リフォームを考慮して、建物の相続税評価額が増額されることがあります。
このように、相続の場面では、リフォームされた部分の評価について検討しなければならない場合があります。

2 リフォームに該当する場合としない場合
まず、建物について一定の工事を行ったとしても、建物の評価額が増額される場合と増額されない場合があります。
いわゆる資本的支出に該当しないものであれば、建物の評価額が増額されることはありません。

それでは、どのような場合が資本的支出とされ、建物の評価額が増額されることとなるのでしょうか?
本来的な考え方としては、建物の通常の維持・管理に必要な修繕については、資本的支出には至らないものと考えられています。
たとえば、外壁の塗り替え、壁紙の取り替え等は、基本的には、建物の維持・管理に必要な修繕であり、資本的支出には該当しないと考えられます。
ただ、外壁の塗り替えでも、従来の塗装と比較して、遮光性、断熱性を高めるような塗装を行った場合には、建物の性能を高めるものとなり、建物の通常の維持・管理の範囲を超えるものと評価されることとなり、資本的支出に該当すると判断されることとなります。
結局のところ、資本的支出に該当するかどうかについては、工事内容を踏まえて、個別に判断する必要があることとなります。

所得税の世界では、いわゆる形式基準が利用されることが多く、20万円を超える支出かどうかにより、資本的支出に該当するかどうかの判断がなされることが多いです。
ただ、三重県の事例でもそうですが、相続税の世界でも形式基準をそのまま利用すると、建物についての工事費用の多くは20万円を超えると思いますので、多くのものが資本的支出となってしまい、建物の価値が増加し、相続税額も増加することとなってしまいかねません。
個人的には、相続税の世界では、建物の通常の維持・管理に必要な修繕に含まれるかどうかにより、資本的支出に該当するかどうかを判断すべきではないかと思うところではあります。