離婚事件の管轄

離婚事件については,調停段階と訴訟段階で分けて考える必要があります。

調停段階では,管轄は,相手方(離婚を最初に求められた側)の住所地等で決まります。
たとえば,相手方が,松阪市に住んでいるのであれば,申立人が北海道に住んでいたとしても,松阪市で手続を進めないといけないということになります。

調停期日は,おおむね1か月に1回設けられますので,相手方の住所地等が遠くだと,申立人が裁判所まで行く負担は,大変なものになります。

そのような場合には,管轄合意書を交わすことにより,別の裁判所で手続を進めることができます。
ただ,名前の通り,申立人の相手方が合意しなければ,別の裁判所で手続を進めることはできません。

引っ越し

今週から,活動の拠点が,津駅法律事務所から松阪駅法律事務所に変わります。

それに伴い,私自身も,津市から松阪市へ引っ越し。

引っ越しの1か月前に,転居先を探したものの,駅近くの物件はなかなか見当たりませんでした。

同じ県内でも,津市に比べ,松阪市は,駅周辺の賃貸物件が少ないです(昔から,商店が駅周辺に密集しているためかもしれません。)。

結局,やや郊外に,良さそうな物件を見つけたので,自転車通勤することを前提にして,そこに決めてしまいました。

遺留分の放棄1

現実には,事業承継等のために,特定の相続人に,遺言で遺産を集中的に受け継がせたいということがあります。

しかし,遺言で特定の相続人に集中的に遺産を受け継がせたとしても,相続人(亡くなった方の兄弟姉妹を除く)に遺留分が認められている以上は,他の相続人から遺留分減殺請求権を行使される可能性が残ります。

このように,他の相続人から遺留分減殺請求権を行使される可能性をなくす方法として,他の相続人に「遺留分の放棄」をしてもらうことが考えられます。

遺留分の放棄は,相続が始まる前に行います。

一度遺留分を放棄すると,放棄した相続人は,相続開始後に,遺留分減殺請求権を行使することができなくなってしまいます。

 

実際には,弁護士の仕事をしていても,遺留分の放棄の事案を目にすることは少ないですが,事業承継が絡む事案では,稀に目にすることがあります。

接見

被疑者に接見するために,警察署へ行って来ました。

 

県内全ての警察署へ接見に行っている(弁護士くらいでしょうけど…)と気づくのですが,どの警察署も,駅からかなりの距離があります。

鈴鹿警察署の場合,白子駅から徒歩22分。

伊勢警察署の場合,宇治山田駅から徒歩18分。

松阪警察署は,比較的,松阪駅から近いところにありますが,それでも10分程度は歩かなければなりません。

 

ですから,接見へ行くときには,自動車を使う弁護士が多いです。

私自身は,運動のために,歩くことが多いです。

葬儀費用

相続の場面では,葬儀関連費用は多かれ少なかれ必要となります。

たとえば,お通夜や告別式の費用や,初七日法要や四十九日法要の費用等が必要となります。

他にも,お墓の購入費用も必要となることがあるでしょう。

 

このような葬儀関連費用は,法律上,誰の負担となるのでしょうか。

このことは,葬儀関連費用の負担を決めるにあたって問題となりますし,遺留分の算定においても問題となることがあります。

この点につき,過去の裁判例や学説の結論は,分かれています。

喪主が全額負担すべきであるとしたものもあれば,相続人が共同で負担すべきであるとしたものもあります。

外部相談(伊勢)

今日は伊勢で法律相談を行ってきました。

津駅から急行に乗り,中川駅で別の急行に乗り換え,のはずでしたが,中川駅で乗り換えをし損ねました。

 

たまに,書面チェックしながら電車移動すると,館内アナウンス等を聞き逃してしまうことがあります。

特に,中川駅での乗り換えは要注意(県民の間では電車移動するときの常識かもしれません)。

 

結局,松阪駅で特急に乗り換え,無事,時間までに伊勢にたどり着くことができました。

相続放棄6

遺産を処分等すると(預金の払戻しを含む),法定単純承認事由に当たり,以降,相続放棄をすることができなくなります。

 

しかし,遺産の処分等は,相続放棄を意識することなく,してしまうことがあるかもしれません。

たとえば,被相続人の預金を払い戻し,葬儀費用に充てることもあるでしょう。

そのような場合には,一切,相続放棄をすることができなくなってしまうのでしょうか。

 

裁判所の判断は固まっていない部分であるため,明言はできませんが,このような場合であっても,必要最小限度の支出であれば,単純承認には当たらないとされる可能性があります。

法的に微妙な判断となりますので,このような場合は,弁護士等の専門家に相談された方が良いでしょう。

相続放棄5

明示的に被相続人の財産や債務を引き継ぐ意思を表示しなくても,法律上当然に,単純承認をしたものと扱われる,相続放棄ができなくなってしまうことがあります。

これを法定単純承認事由といいます。

 

法定単純承認事由には,様々なものがあります。

中でも,代表的なものは,相続財産の全部または一部を処分したときです。

ですから,相続財産の一部を売ったりした場合には,単純承認したものと扱われ,相続放棄ができなくなってしまいます。

注意しなければならないのは,預貯金の払戻しも,単純承認に該当する可能性があるということです。

 

弁護士として,相続放棄の相談を受けた場合には,相談される以前に,法定単純承認事由に該当する行為を行っていないかを確認することが,必要不可欠です。

もちろん,弁護士からは,以後,単純承認事由に該当する行為をしないよう注意してくださいということも,お伝えします。

相続放棄4

財産や借金を相続しないことになる相続放棄とは逆に,財産や借金をそのまま相続することになるのが,単純承認です。

 

単純承認とは,被相続人の財産や債務を引き継ぐ意思を表示をすることをいいます。

 

相続放棄が家庭裁判所で申述の手続をしなければならないのとは違い,単純承認は,どういった形ででも,行うことができます。

たとえば,書面を作らなくても,口頭で,被相続人の財産や債務を引き継ぐ意思を表示すれば,単純承認をしたという扱いになります。

わざわざ裁判所で手続を進める必要もありません。

 

一度単純承認してしまうと,3か月の期間内であっても,相続放棄をすることができなくなります。

ですから,弁護士として相談を受けたときには,被相続人が多額の債務を負っていた可能性がある場合は,軽率に単純承認しないよう,注意しましょうとお伝えしています。

相続放棄3

相続放棄の申述は,相続開始を知った時から3か月以内に行う必要があります。

 

通常は,被相続人が亡くなると,数日中に相続人に死亡の事実が伝わるでしょうから,被相続人が亡くなってから約3か月以内に,申述を行う必要があるということになります。

 

しかし,現実には,被相続人が亡くなって何年も経つのに,被相続人が亡くなったという事実が相続人に伝わらないということがあります。

たとえば,相続人の1人が養子に出ており,血縁上の親である被相続人と疎遠になっている場合や,被相続人が再婚しており,離婚した配偶者の子と疎遠になっている場合には,相続人に情報が伝わりにくいということもあるでしょう。

そして,死後何年か経った後に,債権者から通知が来て,初めて被相続人が亡くなったことを知るということもあります。

 

そのような場合には,被相続人が死亡したことを実際に知ってから3か月以内に,相続放棄を行うことができます。

このような場合には,長期間,被相続人が亡くなったことを知らなかったことを確実に伝えるために,相続放棄申述書の記載を綿密なものにする必要があります。

申述書の記載が不十分であれば,申述が受理されない可能性もあります。

 

このような場合には,弁護士等の専門家に書面作成を依頼されてはいかがですかと,お伝えすることが多いように思います。