日別アーカイブ: 2021年10月21日

ゴルフ会員権の相続税評価(取引相場がない場合)

1 ゴルフ会員権と相続税
被相続人がゴルフ会員権を有していた場合は、ゴルフ会員権についてどのような相続税申告を行うかについて、検討を行う必要があります。

ゴルフ会員権には、取引相場があるものがあります。
このような場合には、取引相場を参照しつつ、ゴルフ会員権の評価を行うこととなります。
ゴルフ会員権の取引相場については、ゴルフホットライン、ゴルフダイジェスト、日経ゴルフ、住地ゴルフ等の業者のサイトを用いて調べることができます。

ところで、ゴルフ会員権には、取引相場が存在しないものがあります。
三重県の案件でも、取引相場が存在しないゴルフ会員権が問題になることがあります。
このようなゴルフ会員権は、相続税の課税対象になるのでしょうか?
相続税の課税対象になる場合には、どのように相続税申告を行うべきなのでしょうか?

2 取引相場のないゴルフ会員権の評価方法
取引相場のないゴルフ会員権であっても、株主になっている場合には、株式と同様、評価の対象にする必要があります。
この場合は、ほとんどが非上場株式になるでしょうから、類似業種比準方式、純資産方式、配当還元方式のいずれかにより、評価を行うこととなります。

また、取引相場のないゴルフ会員権であっても、預託金が存在する場合には、預託金を評価の対象にする必要があります。
預託金については、請求すればすぐに返還を受けることができる場合には、預託金金額がそのまま評価額になります。
他方、規約により、一定期間を経なければ、預託金の返還を受けることができないこととなっている場合には、預託金額に、返還されるまでの期間の基準年利率による複利現価率を乗じた金額を評価額とします。

さらに、株主となり、かつ、預託金が存在する場合には、すでに説明した株式の評価額に、預託金の評価額を加算して評価を行うこととなります。

これに対して、取引相場がないゴルフ会員権で、株主とならず、預託金も存在しないものについては、評価額が0円とされます。
たとえば、プレイすることだけを目的とするゴルフ会員権については、株主とならず、預託金も存在しないことがあり得ます。